僕は今、ジンと共にある廃墟に来ている。



目的はクート盗賊団を壊滅する為だ。
僕は確実にクート盗賊団を壊滅させる為に急遽ジンに助っ人を頼んだ。

「なあ、。何でまたこんなことするんだ?」

ジンが尋ねてくる。

「今までほったらかしにしてたじゃねーか」

確かに。クート盗賊団は悪名高いが僕は何もしようとしなかった。

「下手に捕まえ損ねて、恨みを買いたくないって」

団員は約20名。全員が一流と称して差し支えない程の念能力者。相手の能力如何によっては取り逃が してしまうかもしれない。そうなればヒソカ達に危害を及ぶ可能性もある。

「確かに。僕は自分の周りの人に危害を加えられようとしない限り手を出す気は なかった」

だが

「危害が及んだのだから全力で潰させてもらう」

全員捕獲して牢屋送りにする。

「おい!まさか誰かが…」
「この前セーリスシティの富豪が襲われたを知っているか?」
「そういやそんなニュースがやってたな。その富豪が知り合いだったのか?」
「いや。富豪が襲われたおかげで、そこが経営してた会社がしばらく運営ストッ プになったんだ」
「食品関係だったか?」
「ああ。その影響で多数の食品関係の店が休業となった」
「何が言いたいんだ?(話が変な方向に向かってきたな)」





が楽しみにしてたモンブランが食べれなくなった」





「……………は?」

「何でも期間限定特製モンブランだったらしい。食べようと思った矢先に事件が 起きてその有名なケーキ店も一時休業。開業した時にはモンブランの期間が過ぎ てしまった。店に頼んでみたが、今作っても栗の収穫時期が過ぎたので味も風味 も格段に落ちてしまうらしい。それを知ったがひどく残念がってな」

あの時の落胆ぶりは見てて痛々しかった。

「ちょっと待て。ケーキが食べれなくなったってだけか?」
「簡潔に言えば」
「馬鹿かお前。その為だけに普通盗賊団に殴り込むか?」
「ジンにだけは言われたくない」
「オレはそんなことしな」
「僕がゴンを泣かせたと思った時に念で攻撃しかけただろ?親馬鹿はお互い様だ 」

以前、僕があやしてた時に赤ん坊のゴンが泣きだした。実際にはお腹が空いて泣 いただけなのだが、ジンは僕が何かしたのだと考え全力で攻撃しようとしてきた 。
ジンは思い出したのか黙り込む。

「食品の流通に影響はゴンのミルクにも及んでいた。1ヵ月程度だがゴンはいつ もと違うミルクに顔をしかめてた」
「そうなのか!?」
「ああ。そうらしい」

ジンのやる気を引き出す為に言う。嘘ではないからな。

「全員、捕獲するぞ」
「ああ。一人も逃がさない」





子を持つ親は強い。

僕達はものの20分で、A級首のクート盗賊団を一人残らず捕らえた。